映画 『最強のふたり』
~あらすじ~
不慮の事故で全身麻痺になってしまった
大富豪のフィリップ(フランソワ、クリュゼ)は、
新しい介護者を探していた。
スラム出身の黒人青年ドリス(オマール・シー)は、
面接に来た不届きものだったが、
フィリップは彼を採用する。
全てが異なる二人はぶつかり合いながらも。
次第に友情をはぐくんでいく。
***
監督: エリック・トレダノ
脚本: エリック・トレダノ
ニコラ・デュヴァル・アダソフスキ
製作: ヤン・ゼノウ
ローラン・ゼイトゥン
出演者: フランソワ・クリュゼ
オマール・シー
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この映画、昨年の秋に観に行くつもりで
渋谷のシネコンまで実際に足を運んだんだけど、
階段までの長蛇の列を目にし、
半端ない?ほどの待ち時間を耳にして、
悩んだ末・・・・諦めたのでした。
それが、引越し先の最寄りシアターで、
たまたま~いい具合に掛かっていると聞き、
ラッキ~!とばかり、
友達と一緒に観に出かけました。
フランス映画でコメディ?
しかも日本で知られたスターは不在?
それも、実話をベースとする障害者と介護者の話なのです。
そんな地味~?な話が本当に最強なのか??
ちょっと疑わしくもあったんですけどね。
でも、ほんとに最強でしたよ!
首から下が麻痺という重篤な障害に対して、
常識や偏見を持たないドリスには、
同情や憐みは皆無!
憐みを持たないドリスに、
フィリップは、屈辱を感じることもないのです。
彼らの会話や掛け合いは、
障害者を侮辱するものかと言えば、そうではなくて
互いの立場の違いを面白がり楽しみ、
意地の悪さや、偽善や、
お涙頂戴的なシーンはありません。
それが次第に痛快で清々しく見えてきます。
一方、富豪のフィリップは雇い主であり、
スラムの黒人介護者は使用人ですが、
彼らの会話は、対等な立場で交わされています。
全く違う彼らが、相互理解のぎりぎりのところで、
共鳴を深め、思いやりを持つことで、
友情が成立するヒューマンな映画でした。
不幸にして障害を背負いこんでしまっても、
人と心を通わせることで、
心を開き、幸福感をみたすことが出来るんですね。
彼らの天真爛漫な笑顔が印象的で
胸がほっこりと温かくなるような、
いい映画でした。