~About主婦の徒然日記~

季節の花々やペットに癒される日々の徒然を綴ります。

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映画『ヘルプ~心がつなぐストーリー~』




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ヴィオラ・ディヴィス

ベストセラーになった、キャサリン・ストケットの同名小説が、
映画化された作品です。
1960年代に出版された一冊の本、「ヘルプ」。
黒人メイドたちの心の声を集めたその本は、
やがて、アメリカ南部の小さな町に、
大騒動を、引き起こします。

~STORY~

1960年代前半、大学を卒業したユージニア(愛称スキーター)は、
ライターを志し、故郷のミシシッピ州ジャクソンに戻った。
故郷の友人達は、皆結婚、出産しており、
家事も育児も、黒人メイドに任せきった気楽な生活をしていた。

友人の一人、ヒリーは、病気がうつると、
黒人用のトイレを別にして、屋外に作るべきだと主張する。

スキーターは、友人らの黒人メイドに対する見下した態度に、
違和感と嫌悪感を感じる。

自らも、黒人女性のメイドのコンスタンツェンに
愛情いっぱいに育てられたスキーターは、
彼女が退職して、なにも告げずに、
シカゴに去っていったことに、疑念を抱く。

スキーターは、黒人メイドたちのインタビュー本を執筆し、
彼女らの経験や実態を伝えようとするが、
未だ、人種差別の根強いミシシッピに於いては、
本音を語るのは、彼女らにとって命がけの覚悟が必要だった。


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一番初めに、インタビューに協力してくれたのが、
17人もの子供を育ててきた育児と家事のプロ、
エイビリーンと、ミニー、
最初は怖がって、非協力的だった彼女らとの間に、
信頼と友情が、芽生えてくる過程が、とても良かったです。

虐げられ貶められ、永年押さえつけられてきた、
彼女らの「負」のエネルギーは、
やがて、多くの協力者を連れて来ます。


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***

この作品は、ブログ友のこにさんの紹介で、
かなり興味を持っていたのですが、
3~4月には、なかなか行けなかったのです。
ところが、いつも贔屓にしているシアターで、
5月26日から公開しているということを知り、
昨日、観に行ってきました。

この映画は、ほとんどの登場人物が女性で占められ、
女同志の陰湿なやり取りや、容赦なしの報復!といったことが、
強く印象に残りました。

外は嵐のような大荒れなのに、
黒人メイドには、家の中のトイレを使わせず、
外に行け!というのです。

人種差別以外でも、出自の違う女性を、露骨に仲間外れにしたり、
首にしたメイドが、余所でも就職できないように、方々に手を回したり、
その報復で、メイドも元の主人に、
○○を入れたチョコパイ?を食べさせるとか・・・。
何だか、そのやり取りが凄まじかったですね。

主人公のスキーターが、とても魅力的でした。
命がけで取材に協力し、
従来の関係に風穴を開けたような、
勇気ある黒人女性たちも素敵でした。

この本を書いたことで、旧態依然とした田舎町に大騒動が起こり、
昔のブリッジ仲間との関係も、壊れてしまうのですが、
自らの信念を持って、前に進む女たちが、
凛々しく、颯爽と見えました。

スキーターが、売れ残ることを心配し、
結婚ばかりを勧めていた母親も、
やがて、娘を誇りに思うようになり、
ニューヨーク行きを、勧めるようになります。

多くの女性の意識をも、変えたのですね。
それは、時代を動かす変化の始まりを予感させる、
素晴らしい映画でした。

昨年、ごく少数の映画館でだけ、
公開されたこの映画は、
噂が噂を呼び、大ヒットとなりました。
ハリウッド最大の奇蹟!!と称されたようですよ。